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West Nile Encephalitis
日本大使館からのお知らせ(7月18日)で、ウェストナイルウィルス感染の情報がメールで送られてきました。2年以上留学していて初めてのことであることと、脳炎は専門分野なので知っている知識を記載しておきます。日本にいるときから日本脳炎の患者さんを診察したときなど、アメリカにはウェストナイル脳炎の報告があるため、オタクな神経内科ではよく鑑別に上がっていました。
幸いメリーランド州周辺での感染報告はないようですがなるべく蚊に刺されないよう注意しましょう。ウェストナイルに感染してもほとんどの場合、強い感染症状を出すだけで回復するようですが、ここまで恐れられているのは感染者の1%程度にウェストナイル脳炎を発症し、死亡したり後遺症を残すこともあるからだと思われます。
ウェストナイルは、
日本では有名で今でも稀に患者さんを見ますが日本脳炎ウィルス、それからウェストナイルより知られていませんがセントルイス脳炎、これらすべてはフラビウィルス群に属します。ということで、群が同じなのでいずれのウィルスも蚊によって媒介されるだけでなく、脳内に侵入したときに障害を起こす場所が似ています。
典型的には、両側の基底核、視床にMRIで対象性の病変を示します。印象的なMRI像なので一度見ると忘れることはありません。この部位は狂牛病でもおなじみのプリオンも好きな場所ですが、経過や病歴で鑑別はできると思います。ですが、時には脳幹(特に中脳)、白質、髄膜、硬膜、ヘルペス脳炎のようにmedial temporal lobeに異常信号を示すこともあります。症状は病変部位によるのですが、発熱に加え、頭痛、意識障害、精神症状、痙攣、錐体外路症状、麻痺などが出る可能性があると思います。眼科的には網膜脈絡膜炎の合併もあります。診断は血清の特異的抗体の検出か、髄液PCR検出だったかと思います。
予防治療は、ワクチンは開発中で使用できないので蚊に刺されないようにするぐらいです。脳炎になった場合も、対症療法が中心ですし、フラビウィルスに対する抗ウィルス薬はまだ使用できません。ウィルスそのものを叩くことはできないものの、少数例の報告ではステロイド大量投与の効果もありそうなので、自分がなったら使ってもらいたいなと思います。すなわち、MRIの脳内異常信号領域はウィルスによる直接の障害だけででなく、Allergicな反応である場合も多分にあると思うからです。後は、免疫グロブリン大量静脈内投与もいくつか報告がありますね。でも、これらの効果は確立されたものではないのでどうでるか不明な点も多いように思います。
日本大使館からのお知らせのメールは以下の通りです
(1)感染源
ウエストナイルウイルスはウイルスに感染している蚊(イエカ、ヤブカなど)に刺されることで感染します。ヒトからヒトへの感染や、感染した患者から感染が拡大することはありません。
(2)症状
ウエストナイルウイルスに感染し発症した状態がウエストナイル熱といわれるものです。発症するのは2割程度(潜伏期間は通常2〜6日)で8割の人は無症状です。発熱(39度以上)、頭痛、筋肉痛、時に発疹、リンパ節の腫れなどの症状が3〜6日ほどみられますが、通常は1週間程度で回復します。また、ウイルスが脳に感染して更に重篤な状態となるのがウエストナイル脳炎で、激しい頭痛、意識障害、痙攣、筋力低下、麻痺などの症状が数週間続き、後遺症が残ることもあります。ウエストナイル脳炎はウエストナイル熱感染者の約1%と言われていますが、特に高齢者に多いようです。 これまで、日本においては2005年に輸入症例が1件発生しましたが、国内感染の報告はありません。
(3)治療・予防方法
現在のところ、ウエストナイルウイルスに対するワクチンはありません。また、ウエストナイル熱やウエストナイル脳炎に対する特効薬もなく、症状を軽減するための対症療法が中心となっています。蚊に刺されないようにすることが最大の予防策です。戸外に出るときは、虫よけスプレーを利用したり、できる限り長袖、長ズボンを着用するようお勧めします。
幸いメリーランド州周辺での感染報告はないようですがなるべく蚊に刺されないよう注意しましょう。ウェストナイルに感染してもほとんどの場合、強い感染症状を出すだけで回復するようですが、ここまで恐れられているのは感染者の1%程度にウェストナイル脳炎を発症し、死亡したり後遺症を残すこともあるからだと思われます。
ウェストナイルは、
日本では有名で今でも稀に患者さんを見ますが日本脳炎ウィルス、それからウェストナイルより知られていませんがセントルイス脳炎、これらすべてはフラビウィルス群に属します。ということで、群が同じなのでいずれのウィルスも蚊によって媒介されるだけでなく、脳内に侵入したときに障害を起こす場所が似ています。
典型的には、両側の基底核、視床にMRIで対象性の病変を示します。印象的なMRI像なので一度見ると忘れることはありません。この部位は狂牛病でもおなじみのプリオンも好きな場所ですが、経過や病歴で鑑別はできると思います。ですが、時には脳幹(特に中脳)、白質、髄膜、硬膜、ヘルペス脳炎のようにmedial temporal lobeに異常信号を示すこともあります。症状は病変部位によるのですが、発熱に加え、頭痛、意識障害、精神症状、痙攣、錐体外路症状、麻痺などが出る可能性があると思います。眼科的には網膜脈絡膜炎の合併もあります。診断は血清の特異的抗体の検出か、髄液PCR検出だったかと思います。
予防治療は、ワクチンは開発中で使用できないので蚊に刺されないようにするぐらいです。脳炎になった場合も、対症療法が中心ですし、フラビウィルスに対する抗ウィルス薬はまだ使用できません。ウィルスそのものを叩くことはできないものの、少数例の報告ではステロイド大量投与の効果もありそうなので、自分がなったら使ってもらいたいなと思います。すなわち、MRIの脳内異常信号領域はウィルスによる直接の障害だけででなく、Allergicな反応である場合も多分にあると思うからです。後は、免疫グロブリン大量静脈内投与もいくつか報告がありますね。でも、これらの効果は確立されたものではないのでどうでるか不明な点も多いように思います。
日本大使館からのお知らせのメールは以下の通りです
(1)感染源
ウエストナイルウイルスはウイルスに感染している蚊(イエカ、ヤブカなど)に刺されることで感染します。ヒトからヒトへの感染や、感染した患者から感染が拡大することはありません。
(2)症状
ウエストナイルウイルスに感染し発症した状態がウエストナイル熱といわれるものです。発症するのは2割程度(潜伏期間は通常2〜6日)で8割の人は無症状です。発熱(39度以上)、頭痛、筋肉痛、時に発疹、リンパ節の腫れなどの症状が3〜6日ほどみられますが、通常は1週間程度で回復します。また、ウイルスが脳に感染して更に重篤な状態となるのがウエストナイル脳炎で、激しい頭痛、意識障害、痙攣、筋力低下、麻痺などの症状が数週間続き、後遺症が残ることもあります。ウエストナイル脳炎はウエストナイル熱感染者の約1%と言われていますが、特に高齢者に多いようです。 これまで、日本においては2005年に輸入症例が1件発生しましたが、国内感染の報告はありません。
(3)治療・予防方法
現在のところ、ウエストナイルウイルスに対するワクチンはありません。また、ウエストナイル熱やウエストナイル脳炎に対する特効薬もなく、症状を軽減するための対症療法が中心となっています。蚊に刺されないようにすることが最大の予防策です。戸外に出るときは、虫よけスプレーを利用したり、できる限り長袖、長ズボンを着用するようお勧めします。


